英語で舌のことはtongueと言います。
焼肉屋で出てくるタン塩は、この英単語に由来するんですよ。知ってました?
さて、色々な辞書にあたってみたところ、
舌を使った英語表現には会話に関するものがとても多かったです。
今回は15個の表現をご紹介します。
この記事では舌に関する英語を、以下の2つに分けて紹介していきます。
- 舌を使った英語表現
- 舌の英語の豆知識
1.では、舌を使った英語のイディオムを紹介します。言葉を発することに関係した表現が多いです。
2.では、巻き舌を英語で何と言うか等の豆知識を紹介します。全部で15種類あります。
1. 舌を使った英語表現
それでは、舌を使った英語表現(イディオム)を見ていきましょう。
1-1. (Has the) cat got your tongue?
「どうして君は黙っているの?」、という意味で使う英語表現です。質問をされて答えない子供などに対して使います。逐語訳は「猫が君の舌をとっちゃったのか?」ですね。文脈によって、yourはhisやherなどに換えることができます。以下のように使います。
“Which one of you kids threw a rock at my car? Has the cat got your tongue? Speak up!”
(訳) 「あなたたちのうちのだれが私の車に石を投げたの?なぜ黙っているの?はっきり言いなさい!」
出典: ジーニアス英和大辞典
“Has the”は省略することも可能です。
1-2. keep a civil tongue (in one’s head)
「丁寧な口をきく」、と言う意味の英語表現です。逐語訳は「礼儀正しい舌にしておきなさい」です。以下のように使えます。
Try to keep a civil tongue in your head. We want him on our side.
(訳) 丁寧な口をきくようにしてくれよ。彼は味方にしておきたいんだから。
出典: Cambridge Idioms Dictionary, 2nd ed
“in one’s head”は省略できます。
1-3. give the rough edge of one’s tongue
「(人を)厳しくしかる」、という意味の少し古めかしい英語表現です。例えば以下のように使います。
The boss gave me the rough side of her tongue for being late twice this week.
(訳) 週に2回も遅刻したため、上司は僕のことを厳しくしかった。
出典: Cambridge Idioms Dictionary, 2nd ed
フレーズの中のroughはsharpに言い換えることもできます。
1-4. on the tip of one’s tongue
「(人やモノが)もう少しのところで思い出せなくて」、という意味で使う英語表現です。日本語でも、「舌先まで出掛かって」と言いますね。誰かの名前が思い出せない時は、以下のように使いましょう。
I have his name right on the tip of my tongue. I’ll think of it in a second
(訳) 彼の名前、舌先まで出掛かってるんだけど。あとちょっとで思い出すよ。
onは、atに言い換えることができます。
1-5. bite one’s tongue
(1) 「舌をかむ」、(2) 「言いたいことを我慢する」, 「本音を控える」, の二つの意味で使える英語表現です。以下は使用例です。
(1)の場合:
Ouch! I bit my tongue!
(訳) 痛い! 舌を噛んじゃった!
(2)の場合:
I had to bite my tongue to keep from telling her what I really thought.
(訳) 彼女に私の本当の考えを伝えないように、本音を控えなければならなかった。
1-6. watch one’s tongue
「言葉づかいに気をつける」、という意味の英語表現です。生意気な奴には、下のように言ってやりましょう。
Watch your tongue!
(訳) 言葉づかいに気をつけろよ。
watchはmindやbridleに言い換えることができます。
ちなみにbridleというのは 馬勒(ばろく)のことです。馬に馬勒を乗せると言う意味で、動詞として使うこともできます。
馬についての英語表現は、馬車馬みたいにならずにゆっくり読んで欲しい | 馬を使った21の英語表現で紹介しているので、良ければ読んでみて下さい。
同じ意味の表現に、”Watch your mouth!”があります。
1-7. hold one’s tongue
「黙る」, 「しゃべらない」、という意味で使われる英語表現です。「舌をしまっておく」ってイメージですね。命令文で使われることが多く、例えば下のように使います。
Hold your tongue, John. You can’t talk to me that way!
(訳) 黙ってろ、ジョン。僕にそんな口のききかたをするな。
出典: McGraw-Hill Dictionary of American Idioms and Phrasal Verbs
1-8. have one’s tongue in one’s cheek
「(まじめに見せかけて)ふざけて言う」、と言う意味の英語表現です。
Karl explained, tongue in cheek, that he was busy with housecleaning.
(訳) カールはふざけて、家の掃除で忙しいんだよ、と言った。
出典: Cambridge Dictionary of American Idioms
1-9. loosen one’s tongue
「〈酒などが〉口を軽くする」、という意味の英語表現です。逐語訳すると、「舌がゆるくなる」ですね。お酒を飲みすぎると、下の例文みたいになることもあります。
Her tongue loosened by drink, she began to say things that she would later regret.
(訳) 酒で口が軽くなり、彼女は後で後悔するであろうことを言い始めた。
出典: Cambridge Idioms Dictionary, 2nd ed.
1-10. set tongues wagging
「評判になる」, 「噂になる」、という意味の英語表現です。以下のように使えます。
The affair between the boss and her accountant set tongues wagging.
(訳) 上司と秘書の間の情事が噂になった。
出典: McGraw-Hill Dictionary of American Idioms and Phrasal Verbs
なおwagは、(舌やあごなどが)絶えず動く、という意味の動詞です。
1-11. on the tongues of men
set tongues waggingと同じ意味で、副詞的に使われる英語表現です。1つ上の例文を言い換えると以下のようになります。
The affair between the boss and her accountant is on the tongues of men.
“on everyone’s tongue”ということもできます。みんなの舌の上にある、ってことですね。
1-12. speak with a forked tongue
「二枚舌を使う」という意味の表現です。英語ではフォーク舌っていうんですね。以下のように使えます。
The minister is speaking with a forked tongue, promising support he will never deliver.
(訳) 大臣は二枚舌を使っている、公約している支援は絶対果たされないよ。
出典: Cambridge Idioms Dictionary, 2nd ed
speakは、talkに言い換えられます。
二枚舌は嘘つきという意味ですよね。「嘘つき」については以下の記事もあります。⇒ 「嘘つき」と英語で言う時に気をつけたいこと | ピン子とえなりの会話から学ぶ
1-13. trip off the tongue
「言いやすい」, 「語呂がいい」、という意味の英語表現です。例えば下のように使います。
The new company will need to have a name that trips off the tongue and is easy to remember.
(訳) 新会社の名前は、語呂が良くて覚えやすいものである必要がある。
出典: Cambridge Idioms Dictionaries Online
フレーズの中にあるtripは、rollやslipと言い換えることができます。
1-14. with one’s tongue hanging out
「のどのかわいた」; 「成行きを待って」,「待ち焦がれて」、という意味で使われる英語表現です。以下のように使えます。
Their tongues were hanging out at the thought of seeing the movie stars in person.
映画スターを直接見られることを、彼らは待ち焦がれていた。
動物が食事を待っている時に舌をだらりと垂らすことから、この表現ができました。
1-15. the gift of tongues
「語学の才能」、という意味の英語表現です。この表現の中で使われているgiftは、「特別の能力」だとか「才能」と訳されるものです。なので、フレーズを逐語訳すると、「舌の才能」となります。
2. 舌の英語豆知識
最後に駆け足で、舌についての英語豆知識です。
2-1. 巻き舌
英語ではrolling one’s tongueです。「巻き舌で(何かを)言う」は、speak with a trillと表現します。
2-2. 舌が肥えている
develop a discerning palateと言います。palateは味覚という意味です。
2-3. 舌がヒリヒリする
英語ではmake one’s tongue burnと言います。逐語訳すると、「~の舌を燃やす」です。
2-4. 舌をかむ
bite one’s tongueと言います。これは覚えやすいですね。
2-5. 舌を鳴らす
click one’s tongueで舌を鳴らすという意味になります。
2-6. 舌が回らない
be tongue-tiedで舌が回らないという意味です。
2-7. 舌を出す
put out one’s tongueで、舌を出すという意味になります。
putは、stick, poke, thrustに言い換えることができます。
例えば以下のように使います。
He stuck out his tongue at me.
訳) 彼は僕に向けて舌を出した。
2-8. 舌を巻く
英語には直接対応する表現はありませんが、意味を伝えることはできます。
例えば以下のように使えます。
I was deeply impressed by his work.
僕は彼の仕事に舌を巻いた。
2-9. あかんべえ
これも直接対応する英語は無いですが、以下のように使えば意味は伝えられます。
The kid put out his tongue at me.
そのガキはあかんべえと僕に舌を出した。
2-10. 舌ピアス
tongue piercing、または、tongue studと言います。
2-11. 舌ブラシ
英語ではa tongue brushといいます。
以上、舌を使った英語表現のご紹介でした。
自分にはthe gift of tonguesがあると信じて、英語の勉強を頑張っていきましょう!
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