発売を心待ちにしていて、
Amazonで予約していた本が手元に届きました。
早速、読み終わったのでレビューしますね。
今回、読んだのは
TOEIC亡国論
という刺激的(笑)なタイトルの本。
著者は
で有名な猪浦道夫氏です。
タイトルだけを見ると、
TOEICを全否定している感がありますが、そうではありません。
TOEICの問題を指摘しつつ、
英語を学ぶ私達がいかに、
自分自身に必要な英語力を身につけるか
が書かれた本です。
TOEICだけでは英語は話せない
TOEIC亡国論は2部に分かれていて、
第1部では主にTOEICの問題点の指摘と、このテストとの付き合い方が、
第2部では英語学習のあり方が、
書かれています。
筆者は本書の第1部において、以下の様に指摘しています。
TOEICのテストは、すでに述べたように、聞き取りの能力と読んで理解する能力だけを測る試験である。
このような方式になっているのは、採点を大量にかつ効率的に(つまりコンピュータで)行う必要があるからであろう。
つまり、話す力、書く力という能力は測れない。
これが後で問題にするTOEICの弱点であり、英語力全体の評価をするうえで注意しなければならない点である。
※本書42ページより。
私も英語学習の初期の頃は、
TOEIC900点を超えることを目標にしていました。
なので、このことは経験として分かります。
私は今でこそ英語を話せますが、
英会話力がグンと延びたのは、
務めていた会社で日本語のメールを英語に毎日のように翻訳していた
からだと感じています。
TOEIC亡国論の中にも以下のような指摘がありました。
(TOEICなどの試験において)和文英訳力が測れないのは、日本人の英語上達において致命的であると思う。
※本書47ページより。括弧内は評者による追記。
このテストは、
TOEICを受ければ、正式なスピーチレベルのヒアリング、リーディングの力が「だいたい」測れる
※本書88ページより。
ものでしかないのです。
TOEICに「振り回されず」に英語力を身につける
本書で猪浦氏は、
いつまでも会話ができるようにならないと言う方は、文法をしっかり学んでいない、語彙力が足りない、そして何よりも学習時間が少なすぎるのがその原因だ。
※本書95ページより。
ヒアリングのスコアが少しぐらい低くても、そのことに一喜一憂するのは馬鹿げている。
何よりも大事なのは、仕事や研究の現場で困らない語学力をつけることであって、そういう力は(TOEICの)対策本をいくらやっても身につくことはない。
そのような時間があったら、ビジネス用語や自らの専門分野のテクニカルタームを覚えておくほうがはるかに有用である。
※本書107ページより。括弧内は評者による追記。
としています。
ここで述べられている、
文法、語彙、現場で困らない語学力は、どのようにして身につければ良いのでしょうか?
第2部: 「望ましい英語学習のあり方」は役に立つ
TOEIC対策本ではないもので、筆者が本書の中で推薦している英語学習書には、以下のものがあります。
- 英文構成法(五訂新版)
- 英文法解説(改訂三版)
- A Communicative Grammer of English 02/e
- 現代英語文法―コミュニケーション編
(A Communicative ~ を邦訳したもの)
※本書139ページより
英文構成法は私も持っていますが、
英語で書く力を身につける
という点ではおすすめの本です。
また、
本書の中では紹介がありませんでしたが、
TOEICでは測れない本当の英語力を身につけたいなら、著者の主催する
ポリグロット外国語研究所
のこんなコースも役にたつでしょう。
語彙の爆発的な増幅法は必読
この2部では多くの実践的な学習法が紹介されているのですが、ぜひ読んで欲しいのが、
語彙の爆発的な増幅法(155ページ~160ページ)
という部分です。
これは筆者による
エッセンスを抜き出したもののようですが、英語の語彙を増やしたいなら、ここを読むだけでもこの本を買う価値はあります。
英語に真面目に向き合うなら手元に置いておくべき本
私自身はTOEIC否定派ではありません。
↓のような記事も書いていますしね^^
ただ、
TOEICのためにだけ英語を学ぶのはくだらない
とも思います。
この本を読んで、
英語の勉強って知的興奮を伴うものだよな…
そんなことを改めて思い出しました。
英語に真面目に向き合う全ての人必読の本です。
ご購入は↓からどうぞ。
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